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Demons Down / HOUSE OF LORDS
失恋船長 ★★ (2017-07-13 14:43:25)
アメリカンプログレハードのANGEL、そしてGIUFFRIAと名乗りミュージックシーンの第一線を駆け抜けていたグレック・ジェフリア率いるバンドが1992年にリリースした3rd。90年代と言えばガンズの成功に触発されシーンがBACK TO 70年代へと進み、多くのバンドが方向展開を伺う事に(その後訪れるのがグランジ/オルタナブーム)、いつまでキラキラとした、お花畑ソングが受け入れられるわけが無く時代は、より生々しいモノを求めリアルサウンドへと回帰する事に、その煽りはヘアメタルと揶揄されるようなグラム勢にとっては皆が討ち死にを果たす事を予感させるモノとなり、多かれ少なかれシーン全体の潮目となりましたが、ご多分に漏れずこのバンドもシフトチェンジを果たす事に、ジェフリアのメロセンスを生かした叙情派アメリカンロックとハードなギターの融合、その頂点に君臨するはミスターエモーショナル、ジェイムス・クリスチャンの熱を帯びた歌声、それらを前2作では絶妙な形で聴かせてきたのですが、今作ではジェフリアの見せ場は大幅に減退。迸る哀愁のメロディック路線ではあるが、随分とアーシーな雰囲気を身にまとっており、まるでジョン・ボン・ジョヴィのソロを聴いているようなオープニングナンバーの①に全て集約されているように思います。その方向性を支持するように、その後も渋めのハードさも損なわない豪快な歌モノ路線をキープ、必殺のロッカバラードを収録した中盤の作り込みなど、この路線の旨みを凝縮していますね。単に時代の流れにすり合わせたWhitesneakeスタイルとも言えなくないが、リーダーたるジェフリアがこの路線変更をどう感じ進めて言ったかが気になるところですね。
そのあたりがプロデューサーの交代や⑦⑧⑨はスタン・片山がミキシングを担当しているように複数のスタッフが絡んで作り上げる事になった要因なのかなぁとも思いますね。
ジェフリアが曲を書いているのでクオリティは保証しますが、彼のプレイはほぼ聞こえない仕上がりが影響しているのか、バンドその後、程なくして解散。色んな政治事情や入り組んだ人間関係も見えてくるし、勿論、時代の流れもあったでしょうが、曲が良かっただけに残念でしたね。

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