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In Through the Out Door / LED ZEPPELIN
帰ってきたクーカイ ★★★ (2017-06-04 06:21:55)
もうすでに上に書かれた方々が言い尽くしているけれど、確かに「実験」的。ある種プログレッシヴな香りすらある。
そして明るい(「明るくキャッチー」と言い換えても良い。特に「South Bound Saurez」「Fool in the Rain」「Hot Dog」の3曲)。
全体的にシンセサイザー・キーボード・ピアノなどの鍵盤楽器が活躍しており、それらにより印象的なメロディ・フレーズが奏でられる曲が多い。特に鍵盤大活躍なのが5曲目の「Carouselambra」で、狂騒的に回転木馬が回り続けるような曲調がやみつきになる(個人的には大好きな曲)。
冒頭の「In the Evening」は出だしの中東っぽい雰囲気といい、スローテンポで行進していくような様子といい「Kashmir」の兄弟みたいな曲。重厚さも持ちつつ明るく展開していく良い曲で、なんだか本アルバムの多面性(「一筋縄ではいかないぞ」)というの)を上手く宣言しているようにも思える。2曲目(「South~」)はジャジーなピアノが軽快な楽しい曲。3曲目(「Fool~」)はレゲエっぽいリズムで、中盤はサンバ。なんというかトロピカルな曲。この曲あたりが本アルバムの色彩を豊かにしてくれている。4曲目はカントリーっぽい曲で、この曲が一番ジミー・ペイジのたどたどしい(独特のひっかかりというかタイム感を持つ)ギターが楽しめる。ちなみにジミー、結構本アルバムの各曲でギターをちゃんと弾いている。確かに鍵盤主導の作風ではあるが、ソロもバックもギターメロディはいかにもジミー・ペイジだ。そこは安心して浸っていられる。
6曲目の「All My Love」は上で皆さん書かれているとおり、感動のバラード。名曲。ラストの「I'm Gonna Crawl」はブルージーな佳曲。アルバムをしっとりと締めてくれる。
そのようなわけで名曲・佳曲が並んだ本作は名盤。そして、しっかり実験もしているので上の方々が口を揃えるように「この次の作品が聴きたかった」。
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