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Speed Metal Symphony / CACOPHONY
火薬バカ一代 ★★ (2017-05-09 23:16:09)
80年代の速弾きギタリスト・ブーム最中に頭角を現しつつあったマーティ・フリードマンと、ジェイソン・ベッカー(当時若干17歳!)が、SHRAPNEL RECORDS首領マイク・ヴァーニーの仲介を得てCACOPHONYを結成、'87年に発表したデビュー作がこちら。
正確無比な運指でクラシカルなフレーズを流麗に紡ぐジェイソンと、隙あらば演歌チックな泣きメロをブッ込んで来るマーティによる、テクニック全開の高性能ツインGが縦横無尽に駆け巡るアグレッシブなパワー・メタル・サウンドは、ファンがこの組み合わせに寄せる期待にバッチリと応えてくれる方向性です。
但し、抜けの悪いプロダクションの下、無理くりヘヴィに歌おうとしているせいで精彩を欠くピーター・マリノ(元LE MANS)のVoといい、技巧の盛り込み過ぎで難解な印象すら漂う楽曲といい、キャッチーさは皆無。万人にお薦め出来る作品かっつーと「これよりマーティとジェイソンのソロ作を先に聴いた方が良いんじゃね?」という。まぁSHRAPNELメタル愛好家にしてみりゃ、そうした歪さ込みで「らしい作品だなぁ」ってなもんですが。
少なくとも個人的には、疾走感に貫かれたプログレ・メタリックな②、東洋風メロディ満載で贈る③(ニンジャー!)、そして『SPEED METAL SYMPHONY』のタイトルに相応しい劇的さで本編を締め括る⑦等、バカテク・ギタリスト2人の才気迸る競演を追いかけているだけで十分に耳が幸せですよ。
次作『GO OFF!』(’88年)は更にアバンギャルドな方向へ向かって突き進みますので、CACOPHONY入門盤にするなら本作の方がお薦めです。
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