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Yet to Come / Herazz
失恋船長 ★★★ (2017-04-12 12:39:49)
デトロイト出身、オーソドックスなHM/HRを聴かせる5人組が1985年にリリースした自主制作による1st。2000年に入りRetrothrash Recordsから復刻したリプロ盤なのかな?1985年と言うメタルバブル全盛の時代にどんな、ポップメタルで勝負を賭けているのかと思ったら、ハードでエモーショナルな本格派のHM/HRサウンドで勝負。
一見地味に聞こえるが、感性を揺さぶる泣きとハードテイストを織り交ぜた楽曲は聴き応え十分、勿論、この時代ならではの軽やかさもあるが、そういった陽性な成分よりも、哀愁と泣きを散りばめた極上のエモーションを優先しており、もっと金を掛け音に厚みと奥行きを持たせたらY&Tあたりと比肩出来る魅力を発散していたでしょう。
そこまでギター巧者じゃないし、楽曲優先の作りなので地味な事は地味なんですが、極めてオーソドックスな作りはNWOBHMの影響を受けたアメリカンロックの様相もあり、適度なスピード感とハードさ、そこに絡む泣きのエッセンスにグッときますね。粒だった楽曲の構成力、そして全体的に包まれる哀愁とエモーショナルな響き、メロディックなHM/HRが好きな人にはたまらんでしょう。
特に好感が持てるのは、以上に甘ったるいシングル向けの楽曲が無い事で、アルバムの流れを損なう事無く最後まで聴き通せるのが一番ありがたい。バカでかい音圧やスピードに頼らなくともHM/HRの魅力を伝える事に成功しているのも好感が持てますね。クレジットが無いので分かりませんが、おそらくシンガーが前半と後半では違う人かと思います。前半の癖が強いハスキーヴォイスからマイルドな歌声に変わりますので、ひょっとするとデモを一つの音源に纏めたのかも知れませんね?
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