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Blackout / SCORPIONS
失恋船長 ★★★ (2016-11-06 17:07:49)
全米マーケットに打って出るべくコンパクトな楽曲とコマーシャル性の高い歌メロを擁した彼らの出世作。ウリ時代の暗く湿った情念たっぷりのギターは無くなりましたが、コンパクトな楽曲を牽引するキレのあるツインギターは鋼が鞭打つようにしなやかで躍動感に満ち足りており体が勝手に動き出しますね。その魅力は①に表れていますが個人的には⑤⑥の方が、その勢いをより楽しめますね(ブラックアウトは聴き飽きた感がありますよ)LIVEでも重要なナンバーのポップな②ソフトケイスされたと言われようが③④とタイプの違うバラードナンバーを並べ胸キュンさせるし、ダークな欧州産メロディが初期を彷彿とさせる⑧モノ悲しいバラード⑨で幕が閉まる展開は十分濃厚でミステリアスかつドラマ性の高さを誇示しているので十分、ウリ時代のファンにも訴えける要素もあるのですが、ウリ時代を崇拝するファンからは、このアルバムに対してポジティブな意見が多いとは言えず、スコーピオンズと決別したファンを多かったと記憶しています。
それでもコマーシャル性が高まる事でメロディの質は上がり聴きやすさと共に視聴後の爽快感は過去最高の出来栄えとなり、当時湧きおこったNWOBHMブームにも十分に迎え撃つ程のキレと勢いに満ち溢れていて、適度な湿り気と共にファスト&アグレッシブに疾走する姿は新旧のファンに大いにアピールする要素を併せ持っていたと思います。
今作の成功と共に、作品を重ねる度にソフトケイスされていくので、トータルバランスを考えると尖っているのに聴きやすいという一つに理想郷を確立している今作が、多くの方が指摘するようにバンドの入門編として広く支持されるのも頷けるますね。今でも③~⑥の流れが大好きで手に取る事の多い一枚でが、ワタクシはミーハー根性丸出しで先日出たばかりの50th Anniversary Deluxe Editionを購入したのは言うまでもありません。
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