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The Conviction / ACCUSER
火薬バカ一代 ★★★ (2016-08-10 23:07:24)
現在も元気に活動中のドイツのベテラン・スラッシャー、ACCUSERが’87年にATOM H RECORDSから発表した記念すべきデビュー作。
80年代の彼らは作を重ねる毎に大作主義に磨きを掛けて、よりテクニカルな方向へ突き進んで行きましたが、この1stの時点ではまだ前身のBREAKER時代に演っていた、ACCEPTをハチャメチャにしたようなパワー・メタル路線の残滓を明瞭に聴き取ることができます。金属質な濁声シャウトがウド・ダークシュナイダー的なVoと、MG42機関銃の連射を思わす破壊力満点のリフ&リズムによる波状攻撃は、ライブの重要なレパートリーとして君臨することとなる代表曲②を始め、馬力にモノ言わせて突進する独産スラッシャーらしい、豪快なドカスカ感と特攻精神に満ち溢れていて、弥が上にもテンションが上がる上がる。
とは言え、ジャーマン・スラッシュ三羽鴉のように極悪ブラック・メタル・バンドとしてスタートを切り、徐々に整合性を獲得していったタイプではなく、ACCUSERがお手本にしたのはMETALLICAやTESTAMENTといったアメリカ勢(多分)。なのでアコギを用いて緩急を演出したり、7~10分台の大作にもチャレンジする等、楽曲をカッチリとまとめ上げる手腕が早くも発揮されています。特に「スラッシュ化したACCEPT」といった趣きの③は、勇壮なコーラス・ワークに思わずメタルの血が滾る名曲。あと10分以上に及ぶバンドのテーマ曲⑤も、ちょいダレますけどチャレンジ精神は大いに買えるのではないかと。
時々元ネタが透けて見えちゃったりする辺りがまだまだ微笑ましいものの、「この頃の彼らの方が好きだった」と表明するファンの気持ちも分かる気がする、愛すべき1枚。

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