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Time / MERCYFUL FATE
火薬バカ一代 ★★★ (2016-07-07 22:34:16)
MERCYFUL FATEの最高傑作と言えば、やはり『MELISSA』『DON’T BREAK THE OATH』といった80年代の作品群の名前がまず真っ先に思い浮かぶわけですが、でも「'95年発表の本再結成2作目も完成度の高さじゃ負けてませんぜ」と、個人的にはコッソリ推して行きたい所存であります。
ここに託されているのは、アルバム・タイトルの『魔の刻』を始め、収録各曲に冠された仰々しい邦題の数々が、全く大袈裟には感じられない暗黒メタル・サウンド。高低差の激しいメロディを独特のファルセット・ボイスを駆使してシアトリカルに歌い上げるキング・ダイアモンドの個性的なVo、時に劇的にハモリつつ、奇怪に蠢くGリフを次々展開させていくハンク・シャーマン&マイケル・デナーのGコンビ、場面転換の多いリズムを阿吽の呼吸で支えるスノーウィ・ショウ(Ds)とシャーリー・ダンジェロ(B)の重厚なパフォーマンスからは、これまで以上に厄いオーラがユラユラと立ち昇っています。
特に、漆黒の闇の中に木霊する「悪魔の讃美歌」が如き①に始まり、美しくもどこか怖気を誘う名バラード⑥へと至る本編前半の隙のない構成は圧巻。聴いている内に「ヨーロッパの古城の深部を、今にも消えそうな松明片手に出口探して歩き回っている」ような不安感をも喚起する、《夜、決して一人では聴かないでください…》な1枚。
実はKING DIAMOND派だった我が身も、これ聴いたら「MERCYFUL FATE凄し!」と認めざるを得ませんでしたよ。
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