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The Great Escape / ZINATRA
火薬バカ一代 ★★ (2016-07-05 20:49:20)
オランダはリンブルフ州ヴェールト出身の5人組…と言うよりも、日本でも人気を博した「オランダの貴公子」ことロビー・ヴァレンタイン(Key、Vo)が短期間ながらも在籍していたバンド、と説明した方がHR/HMリスナーの理解は早い気がするZINATRAが、'90年に発表した2ndアルバムにして最終作。
いかにもロビー様作曲の、華々しくドラマティックなインスト序曲①に導かれて本編の幕は上がりますが、作品全体としてはヨーロピアンなドラマ性や構築感は控えめ。それよりも寧ろ、Keyをふんだんに取り入れ、ポップに洗練されたサウンドはアメリカン・メロハー寄りの仕上がりで、一部では「ハッピー・メタル」と称されたという。ハッピー…。
そんな本作において、ロビー(この頃はROBBYじゃなくてROBBIE表記)と共に曲作りの柱を担っているのが、ソロ・ワークやWARRANT等での活躍で知られる腕利きシンガー/ソングライターのポール・レイン。メロディ愛好家の信任も篤い2人が収録曲の大半を手掛けているのですから、そりゃ本作のクオリティが低いわけがないよねと。
特に、ヨッス・メネン(Vo)とリードVoを分け合っているバラード⑤は、後のロビー・ヴァレンタイン・ワールドに通じるリリカル且つドラマティックな名曲にしてアルバムのハイライト。個人的に本作購入動機は、音楽雑誌で高く評価されていたこの曲目当てだったぐらいでして。
確かにこれを最後に解散ってのは勿体ない、と思わされる1枚でありました。

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