この曲を聴け! 

Kansas / KANSAS
火薬バカ一代 ★★ (2008-11-23 23:35:00)
JOURNEY、STIX、BOSTONと並ぶ「アメリカン・プログレ・ハード四天王」の一角にして、ヴァイオリンをフィーチュアした
ハードロック・バンドの代名詞とでも言うべきKANSASが、'74年に発表した記念すべき1stアルバム。
代表作&出世作の4th『LEFTOVERTURE』辺りと比較すると、この頃はまだプログレ風味はそれ程でもなく、ハードでソリッドな①や、
身体がスウィングする②、初期URIAH HEEPを思わせる④といった楽曲に代表されるように、どちらかと言えばそのサウンドは
ブリティッシュHRからの影響が色濃く感じられる、ストレートな仕上がり。(しかもコレがカッコいいんだ)
とは言え、ロビィ・スタインハートが奏でる、「攻め」の姿勢を持ったヴァイオリンを前面に押し出したサウンドは
既に十分過ぎるほど個性的で、何より、後の作品よりも明らかにヴァイオリン中心の音作りが為されているのは、
彼らの「他のバンドとの違いを明確にしたい」という矜持の表れか。
また、本編のハイライトにして、現在に至るもライブの定番曲として君臨する⑤や、10分近くに及ぶ大作曲がブランクなしで
畳み掛けてくる⑦~⑧の展開の仕方など、後の作品へと繋がるプログレッシブ・ロック的な要素はあちこちで確認する事ができ、
特に⑤は、個人的にKANSASの数多ある名曲の中でも、トップレベルの完成度を誇る1曲として愛して止まない存在であり、
この劇的極まりない名曲を聴けば、DREAM THEATERが如何にKANSASから多大な影響を受けているか、よく判るというもの。
プログレハード的な音を期待して聴くと肩透かしを食らいかねないが、これはこれで非常に高品質な1枚。初期3作の中では一番好きかも。

→同意