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Power and Pain / WHIPLASH
火薬バカ一代 ★★★ (2016-05-10 23:21:07)
ポータロ(Vo、G)、ボノ(B)、スカグリオン(Ds)という、スリー・トニーズによって結成されたニュージャージー州パセーイク出身の爆走トリオ・スラッシャーが、'86年にROADRUNNER RECORDSから発表したデビュー作。
清々しい迄にインパクト勝負なバカジャケといい、テレコ録音と聴き紛う低音スカスカなしょんぼりプロダクションといい、ひたすら疾走に次ぐ疾走で強引に押し通る作風といい、「わざと狙ってやってます」的養殖モノとは一線を画する、ピッチピチの天然系80年代型スラッシュ・メタル・テイストが、ここにはギュッと凝縮されています。
特に、16分の刻みに載せてドリルの如く抉り込んで来るGリフのカッコ良さは本作の白眉。一緒に叫びたくなる“WAR MONGER”や、ラストを激烈に〆る“NAILED TO THE CROSS”といった、まさしくバンド名を地で行くWHIPLASH(鞭打ち)な猛進ぶりが愉快痛快な突撃ナンバー、そして名曲“METAL THRASHING DEATH”に至っては、スラッシュ脳丸出しな曲名/鋭利且つキャッチーなGリフ/キャラの立ったドラミングと、三拍子揃った「B級スラッシュ斯くあるべし!」なバンドの代表曲ですよ。
また、攻めの姿勢に終始する本編に対して、Gソロが意外なぐらいメロディアスに組み立てられているのも本作のチャーム・ポイント。シャウト一発からスタートするOPナンバー“STAGE DIVE”を手始めに、随所を彩るGソロのピロピロっぷりが効果的に楽曲のテンションを高めてくれています。
正直、チープ極まりない作りは相当に聴き手を選ぶところではありますが、ツボにハマれば一生モノの1枚になること間違いなし。
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