この曲を聴け! 

For All Kings / ANTHRAX
火薬バカ一代 ★★★ (2016-04-09 10:06:14)
ジョーイ・ベラドナ(Vo)復帰2作目、SHADOWS FALLのジョナサン・ドネイズ(G)を擁するラインナップで'16年に発表されたニュー・アルバム。
今回は初手からジョーイの存在を念頭に置いて曲作りが進められたとのことで、そのためか、全体的にオーセンティックなHM風味が増強。方向性は2nd『狂気のスラッシュ感染』に通じるのですが、しゃにむに限界を押し広げようとする爪先立ち感覚が、スラッシュ・メタルならではの焦燥感/疾走感として具現化していたあのアルバムに比べると、本作はメンバーの技量や作曲能力が格段に洗練され、またサウンドの中核の為すジョーイの歌唱が余裕綽々なこともあり、随分とメロディアスな仕上がりになったとの印象が。
尤も、それが「ユルい」なんて意味じゃないことは、エピック・メタル調のインスト序曲①に続き、スラッシュ界屈指のリズム・カッター・トリオ、チャーリー・ベナンテ(Ds)、スコット・イアン(G)、フランク・ベロ(B)が歯切れ良く刻むリフ&リズムに乗り、タテノリ感全開で突っ走るANTHRAX印の名曲②を聴けば明らか。
ジョナサンのメロディアスなGプレイも映える勇壮&キャッチーなアルバム表題曲④、重厚且つ劇的な盛り上がりを有する⑨、緩急を効かせた⑪⑫、中盤・終盤をそれぞれ引き締めるスラッシュ・ソング⑧⑬等、現行ラインナップのタイトなチームワークが如何なく発揮された楽曲を多数収録、SLAYER、MEGADETHに続き「スラッシュ・メタル四天王ここに在り」の風格をアピールする充実作となりました。
これでMETALLICAが新作で健在を示してくれたら完璧なんですけどねぇ。

→同意