この曲を聴け! 

Audio-Visions / KANSAS
やまねこ ★★ (2001-08-21 23:06:00)
80年代最初の作品。されど問題作である。
何が問題なのか?
過去の作品と比較して、以下の違いがあるからである。
(1)コンパクトな曲が揃っている。(2)guitar、violineなどの楽器が個別に目立っており、サウンドの厚みが後退している。(3)叙情性が薄れている。
というマイナス点をつけられがちな本作は、やはり優れた内容と個人的に思う。
Rerentless、Loner、Got Rock OnといったHRナンバー、ミディアム・テンポのHold On、トリッキーな曲展開を持つNo One Togetherなど魅力的な曲が収められている。
この頃のKANSASの方向性は、よりシンプルに、よりコンパクトなサウンドを標望しており、結果的に叙情性豊かな曲が少なくなっていく傾向になったと思う。そういう意味でKANSASのねらった部分がうまく表現された内容であると思う。
しかしながら、過去の作品と比較したり、KANSASというバンドの特性を考えた時、この方向性にはリスナーからすると戸惑いを隠せないのも事実。全米26位にトーンダウンしたことは、仕方ない。しかし、KANSASというバンドを深く考えないければ、佳曲の多いアルバムである。

→同意