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K2 (Tales Of Triumph & Tragedy) / DON AIREY
火薬バカ一代 ★★ (2016-02-17 22:58:50)
'86年にカラコルム山脈の最高峰「K2」で発生し、13名もの死者を出す惨事となった大量遭難事故「ブラックサマー」。その渦中に巻き込まれた女性登山家達の悲劇をコンセプトに綴る、ベテランKey奏者ドン・エイリー、渾身のコンチェルト・アルバム('88年発表)。ちなみに同時期に似たようなタイトルの映画(『K2/愛と友情のザイル』)が封切られており、こちとら本作はそのサントラ盤と勘違い。必死こいてショップの映画コーナーを探し回った…という無駄な労力を費やしたことでも記憶に残る1枚です。
ゲイリー・ムーアにコージー・パウエルにメル・ギャレーetc…と、ドンの人脈を活かした豪華なゲスト・ミュージシャンの顔触れも話題になりましたが、まさしく映画の劇伴の如く、シリアスな心情/情景描写に重きを置いた壮大なサウンドが紡がれる本編に、HR/HM的スリルやエキサイトメントは薄め。それでもゲイリーの泣きのGの真骨頂が冴え渡る⑤、エモーショナルなバラード⑫等は涙なくして聴けない逸品ですし、各楽曲を彩る、思わず聴き惚れるKeyプレイや美しいメロディのクオリティも流石の職人芸。
あと何より忘れちゃならないのが人見元基先生の参戦ですよ。個人的に本作一番の購入動機は、このVOW WOWフロントマンの存在にあったといっても過言ではないぐらいで(2番目はコージー。ただ作品の性格上見せ場が少ない)、期待に違わぬ豪唱を作中唯一のHRナンバー⑬で炸裂させてくれています。人見とコージーの夢の競演(俺の中で)が実現した、この名曲目当てでも購入する価値があるのではないでしょうか。
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