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VETELGYUS / GALNERYUS
火薬バカ一代 ★★★ (2016-01-07 23:04:32)
8th『ANGEL OF SALVATION』が、メロパワ色を強め大作方向に振った作風が必ずしもストライクゾーンど真ん中とは言い難かった為(好きだけどね)、何となく気乗りせずに購入をズルズル後回しにしてしまっていた'14年発表の9thアルバム。
6分越えの楽曲が半数を占め、収録時間も70分オーバーの超過ボリュームと知った時はゲップの一つも出そうになりましたが、ところがどっこい。GALNERYUS印の名曲①~②によって力強い疾走感と飛翔感を伴い幕を開ける本作は、テクニカルな演奏の応酬が演出する緊張感とカタルシス、ドラマティックな曲展開を際立たせるシンフォニックなアレンジ、そして「単に高い声が出る」とかいう次元を遥かブッちぎり、聴く者の心胆を奮い立たせてくれるような高揚感に満ちた小野正利の歌唱を基軸に畳み込む楽曲群のお陰で、本編の長大さに反し、退屈を覚える暇は皆無。気が付けば当初感じていた不安も綺麗に払拭されていましたよ。
中でも、天高く駆け巡るかの如き疾走曲⑥、仄かに西部劇テイストも薫る⑤、優美なポップ・センスが冴える⑨辺りは、前述した②にも匹敵する本編のハイライトではないでしょうか。
普段「ヘドバンで首の骨を折れ」とか「メタルの旗を掲げろ」的な歌詞を綴るバンドに嬉々として親しむ身には、一人称が「僕」で、語尾が「~の?」で終わる疑問系が多用されるセンシティブな歌詞に若干のムズ痒さを覚えたりもするのですが、枝葉末節っすな。
さぁ、早く10thアルバムも聴かんと。

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