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Victim of Chains / GRAVESTONE
火薬バカ一代 ★★★ (2015-03-08 23:50:40)
20世紀のU.D.O.を支えた名手マティアス・ディート(G)を輩出したことで知られるジャーマン・メタル軍団、'84年発表の1stアルバム。・・・と長らく思っていたのですが、最近になって実はこれ以前にも2枚ほどスタジオ・アルバムをリリースしてたと知り吃驚。まぁそっちにはマティアスは未参加で、音楽性も全く異なるプログレ/70年代HR路線だったらしいのですが。
ともあれ、心機一転の再出発作となった本作で炸裂するのは、墓石ばりの硬質さで刻まれるGリフ&リズムが、勇ましくもムサ苦しく突き進む、HELLOWEEN登場以前の独産パワー・メタルのど真ん中を行くサウンド。しかもありがちなACCEPT路線ではなく、SCORPIONS路線なのがミソ。
リフ/リード両面において華を感じさせるマティアス・ディートのGプレイも、本編から大味感を払拭するのに大きく貢献。特にパワー・メタル版“BLACKOUT”とでも言うべきOPナンバー①と、泣きを伴って熱く激しく盛り上がる④、そして⑥におけるセンス溢れるGソロを耳にすれば、U.D.O.時代「蝶のように舞い、蜂のように刺す」と評された彼の卓越した演奏技術が既に完成の域に達しつつあることがよく分かります。(今じゃミュージシャン稼業から足を洗って法律関係の仕事してるって話は本当でしょうかね。)
「発情したカイ・ハンセン」チックな声質のVoが独特過ぎて好悪が分かれそうな所ではありますが、U.D.O.やSINNERといったマティアスが渡り歩いたバンド群が気に入った方ならば、こちらも押さえておいて損はなし、というか積極的に押さえるべし!な1枚。

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