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Never, Neverland / ANNIHILATOR
火薬バカ一代 ★★ (2006-08-05 09:46:00)
その完成度の高さから、ANNIHILATORの最高傑作に推すファンも多いと聞く、'90年発表の2NDアルバム。3rd以降の音楽的変化を考えると、
確かに、攻撃性と叙情性のバランスが絶妙なこの作品こそ、初期テクニカル・スラッシュ路線のベスト盤かな、と。
前作では、曲展開が唐突だったり強引過ぎたりと、やや未整理な部分(そこがまた魅力だったわけだけど)が目に付いたが、
ここではそうした無駄が省かれ、カッチリと整理整頓。激烈スラッシュ・チューン⑧⑩を収録しつつも、
ストレートな疾走感よりダイナミズムが強調された楽曲は、シャープ且つテクニカルなリフ、流麗なGソロ、構築美を感じさせる曲展開と、
三拍子揃った隙のない仕上がり。中でも、これぞANNIHILATOR!たるシアトリカルな曲展開の①“THE FUN PALACE"
勇壮なパワー・メタル・チューン④“STONE WALL"、ドラマチック極まりない⑤“NEVER,NEVERLAND"といった楽曲は
その真骨頂か。ここぞというタイミングで炸裂する、美しいアルペジオも非常に効果を挙げている。
新Voとして迎えられた、歴代シンガーの中でも屈指の実力派コバーン・ファーの、多彩な表現力を備えた強力な歌唱も、
楽曲のドラマ性の底上げに大いに貢献。確かに、良くも悪くも個性の塊みたいな声質だったランディ・ランペイジを失ったことで
病的な雰囲気は大きく後退してしまったが、メジャー感、ドラマティシズム等、得たものはそれ以上に多いので、個人的には無問題。
本作を聴けば、何故、デイヴ・ムスティンがMEGADETHにジェフ・ウォーターズを欲したのか、よく分かるはず。
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