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Badlands / BADLANDS
LAメタルこそ我が起源 ★★★ (2014-09-25 18:24:31)
【ジェイクがブルース回帰したロックアルバム】。
そんな先入観から、〈落ち着いた渋目の音楽性〉をイメージされがちな本作だが、いやいやとんでもない、エキサイティングなハードロックアルバムに仕上げている。
〈dancing on the edge〉や 〈hard driver〉 など、スリリング且つ緊張感を伴う展開で見事にヘヴィロックとしての顔を覗かせているし、ギターのトーンも(同時代のGaryMooreやCinderellaのブルースアルバムとは異なり)エッジの立ったディストーシションサウンドでもってジェイク流のブルースHRを演奏しているからだ(ただリバーブなどは控えめで乾いたトーンではある)。ギターフレーズもじっくり聴き込めば、オジー時代と変わる事なく、至る所でスリリングな味わいを堪能出来るのである。
と前置きはこの位にして。
この作品の最大の美点は、歌メロの素晴らしさだ。(レイの上手さは語り尽くされているので、ここでは触れない)
レイギランのなぞる歌メロが、全編〈曖昧さ〉のないキャッチーなモノで完璧なまでに構成されている。更にレイの広い音域が最大限生かされるであろう大変起伏に富んだと言うか緩急が激しい所があり、とにかく歌メロから耳が離せないのである。実に聴き応え充分。飽きが来ない。
もちろんその歌メロはロック・ブルースフレーバー溢れるキャッチー&ソウルフルなものであり、ポップ調の甘いモノでは全くない(強いて挙げると2曲目の〈dancing in the dark〉は幾分甘いが)。
ここまで丹念にボーカルパートを作り込んだハードロックアルバムもそうそうないのではないか。
(余談だが、ロックをいかにも本物らしく聴かせる為には、甘いメロディは厳禁、いや鬼門なのである . . . )
この作品も、(私がこだわる)正真正銘のピュアロックであり、プロ中のプロにしか作れない貫禄溢れる逸品だ。
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