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Blind Rage / ACCEPT
火薬バカ一代 ★★★ (2014-09-08 22:38:17)
絶好調の波に乗る、マーク・トニーロ(Vo)擁する再々結成ACCEPTが、前作から2年という順調なリリース・ペースを守って発表した3枚目のスタジオ・アルバム。
へヴィでアグレッシブだがフックに乏しいという、ACCEPTのアルバムで時々見かける捨て曲パターンにハマったOPナンバー①が始まった時は、さすがに3枚目ともなると曲作りのアイデアが尽きたか?と一瞬不安がよぎりました。
しかし同曲後半で炸裂する、ウルフ・ホフマンの「歌えるGソロ」でグッと盛り返すと、後には硬派な哀愁が光る②が続き、以降は、グリーグ作曲“ペールギュント”の“朝”のメロディを引用しながら突っ走るラス曲⑪まで、荘厳に響き渡るバンカラ・コーラスをフィーチュアしたACCEPT以外の何者でもない、例えるなら昭和の工業高校の応援団哀歌みたいな(?)、雄々しく剛毅なHMナンバーが目白押し。(前述の①も繰り返し聴く内にすっかりお気に入りに)
特に、チェロキー族の悲劇について取り上げた歌詞に相応しい、胸に突き刺さる慟哭を巻き散らかしてハードに疾走する⑤は全ACCEPTファン必聴の名曲。また哀愁渦巻く⑩のような叙情HRナンバーで発揮される、悶絶モノのメロディ・センスもお見事です。
個人的結論としましては「前2作に勝るとも劣らない力作」との評価に落ち着いた1枚であります。ただ、確かに今回はボートラは蛇足だったかなぁ・・・とも。
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