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シャリーのアトリエ~黄昏の海の錬金術師~
Usher-to-the-ETHER ★★ (2014-07-23 21:01:30)
2014年発表の、アトリエシリーズ最新作。
「黄昏」シリーズとしては3作目ですね。
携帯機用の作品等も合わせれば20作品ほど出ているシリーズだけあって、根幹となるシステムである、錬金術によるアイテム練成は面白く、そして洗練されてますね。どの素材を使うかだけでなく、素材を投入する順番、素材投入時に使うスキル等で結果が大きく変わってくるので、強いアイテムを作るのに頭を悩ませるのが楽しい。特に今作、同じ属性のスキルを同じ属性の素材に使い続けると、ボーナスが発生する「チェインシステム」が採用されているんですが、これは非常に強力な代わりに、大きなボーナスを狙い過ぎると本当に使いたかったスキルを使う枠が足りなくなったり、値が大きすぎて狙った属性値を超えてしまったりするので悩ましいです。それだけに、試行錯誤の末狙った効果のアイテムを生み出せたときの喜びもひとしお。
また、滅び行く大地を舞台とした「黄昏」シリーズは、シリーズ自体が今までのアトリエと比べると、一般的なRPGに近い世界観を持っていると言えますが、今作は今までのような日数制限が撤廃されているため、更に一般的なRPGに近づいた印象。元々「世界を救う」系RPGのカウンター的な側面もあったシリーズだけに、これには賛否あるようですが、個人的には「こういうのもアリ」って感じですね。拠点でのアイテム自動補充などと合わせてヌルく感じる人もいるようですが、素材集めや敵狩りを気持ちに余裕を持って出来るのは良いと思う。若干、トラベルゲート(拠点へワープ)やアイテムの回数制限といった要素が死にシステム化してる気はしますけど…。この辺りは、ユーザーに挑戦するのではなくて、「楽しんでもらう」という事を重視した結果なんじゃないかと。いつでもゲーム難易度の変更が出来る辺りからも、そういう意識の強さが伺える気がします。
ただ、バグや調整不足が目立つのがネックですね…。最も酷いのは、「ゲームを終了する」もしくは「電源を切る」などの動作を行おうとすると、本体が不正に終了し、ファイルチェックが始まる事があるというバグ。一応、タイトル画面に戻ってから終了すれば起こりにくくはなりますが、絶対ではないですし。あとストーリー中に挿入されるミニエピソードが、時々本編の進行具合と同期していない時があるのも気になりますね…。広く、モンスターや採集ポイントのシンボルが多数あるマップだと処理落ちしたり、動作が若干重いのも気に掛かるところ。
間違いなく面白いゲームである事は断言出来るんですが、細かいところにアラがある…というより、未完成の状態で発売されてしまったような印象を受けるゲームなんですよね。特に再現性が高い上に、本体やハードディスクに負担を掛けるバグを放置したまま発売するのは如何なものかと。去年の閃の軌跡のロード地獄とか、聖魔道物語のバグだらけ振りとか、最近パッチがあることに甘えているメーカーが多い気がします。DLCに頼り切った作品や、ストーリーを丸投げする作品などにも言えることですが、ゲームは「店頭で購入した時点で十全に遊べるものであって欲しい」んですよね。これは多かれ少なかれどのユーザーも思ってる事だと思うので、メーカーはそれに応える努力をして欲しいです。
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