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FINAL FANTASY Ⅳ Complete Collection
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2014-06-11 11:11:58)
SFC時代にスクウェアが残した超名作「ファイナルファンタジー4」をリメイクし、そのアフターストーリーであり、携帯アプリやWiiウェアで展開された「FF4 The After 月の帰還」を追加した上、その二つを繋ぐ「インタールード」を加え2011年にPSPでリリースされた作品集。現在PSストアで2000円ちょっとで買えるのと、VITAで64Gのメモリーカードを購入し、容量に余裕が出来た事もあり買ったんですが…これ、ホント素晴らしいですよ。
まずFF4の方ですが…これは元々が超名作だったこともあるんですが、それが更に遊びやすく改良されてますね。ドット絵が描き直され、全体的にグラフィックが綺麗に、見やすくなっていたり、街やダンジョンでのダッシュの追加、戦闘での倍速オート機能追加などが行われた事でサクサク進めるようになっていたり、より快適なプレイが出来るようになってます。純粋に遊んでて楽しく、「RPGの楽しさってやっぱこうだよな…」と思わせてくれます。
また、ラストバトル直前にパーティの入れ替えが出来るようになっていたり、そのメンバー専用の装備が手に入る追加ダンジョンがあったり、原作を遊んでいたファンにも嬉しい追加要素があるのがまた素晴らしいです。原作やってるとギルバートにもっと活躍の場を与えたくなりますが、この仕様なのでそれが叶います(笑)。ただ、セシル以外全員入れ替えの新メンバーパーティで組むと「盗む」要員がいなくなるのが、若干辛いところではありますが…。
ただ、ここまでしっかりリメイクしてくれるなら、アイテム管理のシステムも「ジ・アフター」基準にして欲しかったですね。それだとデブチョコボがいらなくなるので、まあ仕方ないのかもしれませんが…。あと、SEが全体的に劣化気味なのも気になる。エクスカリバー系の小気味良い斬音、ファイガのこんがり焼けました感、バイオの奇妙な音…みんな何処へ行った…。特にバイオは道中使用頻度の高い黒魔法なだけに、音の劣化が凄く気になる…。まあその辺りを考慮しても、超良質なリメイクであることに変わりはありませんが。
「インタールード」は正直おまけのようなものですが、「ジ・アフター」の方もかなり面白かったですね。幾つかのキャラクター毎のストーリーが展開され、最終編で集結するという内容ですが、キャラ毎のストーリーが一日一本進めるのに丁度良いくらいの長さなのが良いです(笑)。ダレずにメリハリを持ってプレイできる。
システムは本編のものをほぼ踏襲してますが、バンド技(キャラ同士の協力技)があったり、矢の仕様やアイテム管理の仕様などが変更され、より楽しく、遊びやすくなっている感じ。こちらではドロップ率を上げる装備や、ドロップのレア枠を上げる装備なんかもあるので、原作で入手が至難の業だったモンスター召喚術が割りと手に入りやすくなっているのも良いですね。ノータイムで発動、消費MPも少ない「ボム」が何気に優秀だったり。
最終編では当然好きなパーティを組めますが(セシル・セオドアですら外せる)、どのキャラでパーティを組んでも進められるバランスの良さが素晴らしい。例えばレア装備無しでは一見貧弱なカルコやブリーナでも、アサシンダガーと最後の服を手に入れた頃から雑魚散らし要員としてかなりの活躍をしてくれます。そしてギルバートがストーリーでもバトルでも活躍してくれるのが嬉しい所(笑)。
ただ、こちらは結構不満もありますね…。まずキャラ編では一定のレベル以上に育てられない仕様がどうも肌に合わないし、最終編は好みのパーティで進められる時間短か過ぎだし、そこまで進めると後はダンジョンをひたすら降りていくだけでワールドマップには戻れず、一部のアイテムを手に入れるのが物凄く困難になるのも不満。前述のドロップ率やレア率拡張装備がその「一部のアイテム」に該当しますが、これら無しでフェイズ系狩るのは苦行以外の何物でもないと思う。早く好みのパーティを組みたいが故の拙速プレイは後で泣きを見ます。
若干不満点も書きましたが、それはあくまで満足した上で更に「ここがこうだったら良いのに」という程度で、ここ数年でプレイしたRPGの中でもトップクラスに満足できた作品です。スクウェアは映像にこだわってばかりというネガティブなイメージがありましたが、この原作より更にプレイアビリティを増したリメイクは、それを覆すだけのものがあると思います。これが2000円ちょっととか安過ぎです。原作をやった方もそうでない方も是非。これが日本の誇るRPGです。
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