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Urm the Mad / PROTECTOR
火薬バカ一代 ★★★ (2014-02-03 23:30:56)
PROTECTOR復活の報を教えて頂き、久し振りに引っ張り出して聴き直している'89年発表の2ndフル・アルバム。日本では嘗てテイチクからEP『LEVIATHAN'S DESIRE』('90年)とのカップリングで、全20曲、収録時間70分オーバーという、この手の音に興味のない人には拷問みたいな仕様で国内盤がリリースされていましたね。
'94年にオーバードーズにより死去した中心メンバー、ミヒャエル・ヘッセの畳み掛けるドラミングを核に、マーティン・ミシーの咆哮型Voと、痙攣気味に刻まれるGリフが暴風の如く荒れ狂うスラッシュ・サウンドは、『TERRIBLE CERTANITY』を発表した頃のKREATORを彷彿とさせる一方で、押しまくるだけでなく、スロー/ミドル・セクションを有用。例えばアコギが爪弾かれるイントロから段階的にスピードを上げていく⑦のような、いかにもヨーロピアンな湿気ったヘヴィネスと、暗黒美に満ちたドラマを演出する手腕も冴え渡っています。
昔聴いた時は後ノリのデス声Voが、せっかく全編に充満する爆走感をスポイルしているように感じられ、あまり好きになれなかったのですが、デス声がすっかり市民権を得た(要するに聴き慣れた)今となっては、当時ほど気にはならなかったり。荘厳な雰囲気も醸し出す邪悪なスローチューン③のカッコ良さなんて、この声あってこそですよ。
個人的にPROTECTORといえば真っ先にこの頃の音が思い浮かぶのですが、再結成作はどんな感じなんでしょうね。

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