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Badlands / BADLANDS
火薬バカ一代 ★★ (2013-12-31 00:24:37)
80年代のメタル・バブルの反動か、アメリカでは'90年前後になると「ルーツ回帰」「ブルーズ志向」が声高に叫ばれるようになり、お前のどこ押せばブルーズなんて言葉が出て来るんだよ?というバンドまでもが「俺達のルーツはブルーズ」とか言い出してトレンドの凄まじさを思い知らせてくれました。
オジーの元を離れたジェイク・E・リー(G)のニュー・バンド、BADLANDSが'89年に発表した本デビュー作も、彼のフラッシーなギター・ヒーローとのイメージを覆す、地に足を着けた渋めのカラーが鮮明に打ち出されており「お前もかい」ってなもんでしたが、いやでもコレがカッコイイんですわ。
レイ・ギランの粘っこい熱唱と、手練のリズム・セクションを得て重厚にウネるOPナンバー①から、ソリッド且つアップテンポの②⑦、アコギ・インスト③を経てダイナミックに展開していく④、(まさにタイトル通り)Gが踊る⑤、そしてロッカ・バラード⑩に至るまで、収録曲の数々を聴けば明らかなように、本作に託されているのはブルーズそのものではなく、飽くまで「ブルージーな要素を飲み込んだHR」。ジェイクのGプレイも変に老成することなく、熱く図太い音色で主役としての存在感を主張してくれています。
普段、この手の音とは無縁のミュージックライフを送り、スラッシュだ様式美だAOR/産業ロックだと喧しい自分のような人間にもその魅力が十二分に伝わってくる1枚です。

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