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Dream Theater / DREAM THEATER
キリー ★★★ (2013-09-24 00:46:33)
ヤングラジオ氏の琴線にふれなかったのは、おなじポートノイ派としては残念。まあそれはさておき、わたしの率直な感想は「お見事」の一言につきる。
ポップな曲、ハードな曲、プログレッシブな曲がバランスよく配置されているとおもった。The Looking Glassなんて初期のDTの十八番とでもいうべき爽快なメロハー系楽曲で、初聴きでガッツポーズしたものである。
1曲目なんかは、これはSymphony Xの新作ですといわれたら本当に信じてしまうぐらいSymphony X色の強いインスト曲で、たしかに「をいをい...」と感じてしまう節もあるが、そもそも楽曲のクオリティが高いので問題ない。
Eveみたいなニューエイジ的な作風に若干の激しさをくわえたThe Bigger Pictureにもニヤリとさせられる。Enigma MachineはRaw Dog路線のダークな疾走系ナンバーだが、ほんのりキャッチーでネオクラ風早弾きパートもいままでありそうでなかったアプローチ。
Surrender To Reasonは宇宙的な浮遊感と幻想美を堪能できる名曲。Signals期のRushっぽいところがニクい。
そしてハイライトのIllumination Theory。これは「真夜中の都会」「宇宙」の情景がうかぶ、いままでの大曲にはなかった新しい路線である。聴く者を圧倒するインストパートの応酬もすさまじいが、その前後にちりばめられた美しいメロディもまた、天にものぼるような高揚感をあたえてくれる。
前作に関しては、すこし嫌味ないいかたをすると、ポップさを幾分とりもどしたのは良かったがLost Not ForgottenやBreaking All Illusionなど、あからさまにImages and Wordsに似せたフレーズがあって、少々あざといというか、古参ファンに変に媚びている感じが気になってしかたがなかった。その点、今作品はしっかりと独自のカラーを出せているとおもうし、マンジーニ氏もメンバーの一員として楽曲の創作に寄与している様子が感じられて、好印象である。
最後に、できれば言いたくないことであるが、ジャケットが非常にダサい。最初あのアートワークが発表されたとき、わるい冗談だと本気でおもったものだ。DTのエンブレムが自動車のソレみたいになっているのも気になる。ただ、繰りかえすようだが作品の中身は「お見事」である。
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