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The Final Countdown / EUROPE
火薬バカ一代 ★★★ (2013-08-20 22:31:27)
どこの誰の曲かは知らなくとも、誰もがみんな知っている。月光仮面・・・じゃねEUROPEの大ヒット曲“THE FINAL COUNTDOWN”を収録した、'86年発表の3rdアルバム。
華やかなKeyをふんだんに取り入れて、ポップ&コマーシャルなシルエットを描き出すサウンドからは、初期の「暗さ」「マイナー臭」「疾走感」といった北欧メタル的要素が払拭されていて、世界を舞台に戦うメジャー・アクトとして洗練されたEUROPEの勇姿が前面に押し出されています。
初期作を愛する身としては一抹の寂しさを覚えなくもない作風ですが、それはそれとして本作の完成度には瞠目せざるを得ません。例えポップになっても透明感を湛えたメロディの質が下がっていないこと、アルバムの主役の座を担うジョーイ・テンペストの歌唱力の益々の向上、相対的にスポットを浴びる機会は減ったものの、コンパクトに締まった演奏で歌を盛り立てる(当人的には甚だ不本意でしょうが)ジョン・ノーラムのGプレイ・・・この辺りが成功の要因でしょうか。
代表曲①を皮切りに、アリーナ・ロック調のノリの良さを伴う②、大ヒット・バラード③といった具合に、高いヒット・ポテンシャルを秘めた楽曲が連なる本編ですが、個人的に最も大きな感銘を受けたのは、“NINJA”なるタイトルからしてワクワクが止まらない⑤。しかもこれがキャッチーな哀メロと胸踊るポップ・センスという、新旧EUROPEの良いトコ取りの北欧ハードポップの名曲なのだから素晴しいじゃありませか。
EUROPEのみならず、HR/HM史においてもマイルストーン的役割を果たした名盤。

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