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Wings of Tomorrow / EUROPE
火薬バカ一代 ★★★ (2013-08-19 22:08:14)
「水晶の如き美旋律を満載にした北欧メタル」という基本路線はそのままに、音質の改善、NWOBHM的な荒々しさを後退させ、一層メロディアスに磨き上げられた収録楽曲の数々・・・と、確かな成長の跡が刻まれている'84年発表の2ndアルバム。
北欧メタル作品として統一感はあったものの、一部楽曲を除き収録曲に似たり寄ったりなイメージもあったデビュー作に比べ(そこが良くもあったのですが)、今回はKeyを増量してサウンドのメロディアス化が一層推進されたことで、個々の楽曲のキャラ立ちが明確になりました。“SEVEN DOORS HOTEL”級の超名曲は見当たらない代わりに、青臭さが薄れて後の「実力派シンガー」の片鱗を伺わせ始めたジョーイ・テンペストの歌唱と、ぶいぶい言わせるジョン・ノーラムのエネルギッシュなGプレイを両翼として華麗に羽ばたく楽曲は、劇的なイントロのみで虜となる壮麗なOPナンバー①から、後にARCH ENEMYもカヴァーした疾走曲②、美しく煌くバラード③⑨やインストの名曲⑤・・・といった具合に捨て曲は皆無。
また、それらを適切な曲順で組み合わせることで、本編の流れに整合性とドラマティックな起伏を演出するなど、アルバム作りの手腕も随分と洗練されてきました(前作比)。
EUROPE入門編としてもお薦めする名盤。

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