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HURRICANE EYES / LOUDNESS
火薬バカ一代 ★★★ (2013-04-03 22:54:46)
樋口宗孝の豪快なドラミングを皮切りに疾走を開始する名曲中の名曲“S.D.I.”で幕が上がる、'87年発表の7thアルバム。
演ってることは前作『SHADOWS OF WAR』と大差ないのですが、今回はその“S.D.I.”が象徴している通り、例えアグレッシブなスピード・ナンバーであってもメロディやアレンジのフックに手抜かりがないので、聴いていて大味さを感じたり疲労感を覚えたりすることがありません。
昔、初めて聴いた時は「凄いヘヴィなアルバム」との印象を持ったのですが、実際のところ本編にはバラードからシンセを取り入れたポップ・チューンまで色彩豊かな楽曲が顔を揃えていて、必ずしもヘヴィ一辺倒な作風ってことはなく。じゃあ何でそんな風に感じたのかと言えば、それはやっぱり二井原実の特異なVoの存在感ゆえかなぁ、と。
アメリカでのセールスは前2作ほどは奮わなかったとされる本作ですが、(↑)上で多くの方々が激賞されているように、どんなタイプの楽曲を歌っても自身の色に染め替えてしまう、彼の個性の塊みたいな声が主役級の存在感を発揮していて、二井原自身が後年「ベストなパフォーマンスが発揮できたお気に入りの作品」としてこのアルバムを挙げているのにも納得ですよ。
これを最後に彼とバンドは一旦袂を別つわけですが、本作を聴くと双方ともに「やれることは全てやりきった感」が漂っていて、(実情はどうあれ)この後の脱退劇にも妙に納得してしまうものがあるのでありました。
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