この曲を聴け!
Temper Temper / BULLET FOR MY VALENTINE
ヤングラジオ ★★ (2013-03-22 17:58:50)
新作「TEMPER TEMPER」は、予想通り従来のファンからは厳しい意見が多かった。
それは、ある程度マットは予想出来ていたのかも知れない。
BURRN!では、バンド側がアリーナ・ロック・バンドになりたいのだという見方をしていたけれど、もしそうなら、このやり方は間違っている気がする。
バンドがファンに媚びる必要性は、全く無い。
ファンが何を望んでいるかなんて、考えなくてもいい。
しかし、である。
確かに、彼らがこれまで出した4枚のアルバムの変遷を辿れば、そういう見方そのものは当たっている気がする。
だけど、僕はそれよりもマットは「BFMVらしさ」というものを、常に深く考えていた気がする。
「BFMVらしさの確立」に、かなり力点を置いてきた気がする。
しかし、この「らしさ」の捉え方というのは、実はやっかいで時にバンドが自分自身を苦しめる形になる。
BFMVを、唯一無二の存在に.......。
この考えが強すぎるのではないか、というのが僕の見方である。
どういう事かと言うと、これを強く考えすぎると、他のバンドとの差別化という部分にばかりに気がとられて、結果的に冒険する事が出来ずに、自分たちの殻に閉じこもってしまいがちになる。
流行りの要素を、無理して取り入れる必要性はないけど、オリジナリティーばかりに気がとられて、本当にやりたい事が出来ていないのではないだろうか。
また、湧いてくるアイデアを、らしさという視点から否定してはいないだろうか。
ジャンルという、どうでもいい事に拘り過ぎてはいないだろうか。
ファンとは、わがままであり、敏感である。
その楽曲、音楽性は好きでも、何かが違うという察知能力には優れたものがある。
1stは名作であった。
マットがこの1stを、どう捉えていたのか興味深い。
1stの楽曲には、妙な計算が無い。
2nd、3rd、4thと進むにつれ、何か計算めいた感覚が強くなっている事が、すごく残念である。
練り上げた結果という見方も出来るけど、それは同時に大事なものを置き去りにしてきているという見方も出来る。
やっぱり、新作からは爽快感を感じない。
何か歯切れが悪いのである。
→同意