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DIMENSIONS / SATURNIAN
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2013-02-18 12:43:39)
2012年発表の1st。

良質なバンドの登場が相次ぐシンフォニック・ブラックメタル界に、ENSLAVEDやKEEP OF KALESSINを始め良質なブラック作品のリリースで知られる、Indie Recordingsより新たな刺客が現れましたね…。これがまた素晴らしい出来で、日々マンネリズムと格闘しながら、後進のバンドからは突き上げを食らうベテランバンドが正直ちょっと気の毒になってしまうほど(笑)。

ブラックメタルの、それも新進気鋭のバンドとしては驚くほどクサメタル界隈で取り沙汰されることの多いアルバムなんですが、それも頷けるようなド派手かつクッサクサな、ハイクオリティなシンフォニックブラック。息が詰まるほどに派手なキーボードを従えつつ、ブラックのアグレッションで疾走する様は正に圧巻。メタリックなヘヴィさを演出しつつ、要所で聴き手をクサトレモロ責めにするリフ捌きも良い仕事してます。リフだけでなく、リードフレーズも泣きとクサさがあって何気に素晴らしかったり。

しかし、このバンドはシンフォ要素の取り入れ方のセンスが素晴らしいんですよね…。よくCRADLE OF FILTHとも比較されている通り、メロディそれ自体にはゴシック的な美意識が感じられるんですが…そのメロディのぶち撒け方にゴシック的な隠微さは余り感じられず、むしろサウンドトラックの派手さやキャッチネスが強いような印象。可憐なソプラノの導入なども良いフックになっており、聴き手を一聴で虜にする力のある、非常に求心力の高い仕上がり。

DIMMU BORGIRの「Sympozium」辺りを聴いて、アルバム全体があんな派手だったらな~と思った方は多いと思うんですが、これはそれに近いものがある…と言ったら褒め過ぎでしょうか。取り合えずシンフォニック・ブラックマニアの方は避けて通れないクオリティですし、ジャンル初心者にも優しい聴きやすい音だと思います。少なくとも良盤以上、個人的には名盤評価でもいいかな、と思います。貫禄の点でベテラン勢には譲りますが、クサさはそれ以上かと。

→同意