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Nine Lives / AEROSMITH
クーカイ ★★ (2002-07-15 00:08:00)
'97年発表。スタジオ作としては12作目。
思うに『PERMANENT VACATION』以降の作品群の中では、最高にエアロな作品だと思う。勿論ここ10年間に発表された全HRアルバムの中でも、最高峰に位置する作品であろう。
このバンドの持ち味というのは、フックのあるメロディやリフづくりに秀でているのみならず、なによりも猥雑さ、ロックの持ついかがわしさをクールに体現しているところだと思う。
そういう意味では、『PERMANENT~』・『GET A GRIP』・『JUST PUSH PLAY』は少々お行儀が良すぎる(とはいえ、これらの作品ももちろん高品質だ)。復活後におけるエアロらしい傑作という意味では『PUMP』と本作を挙げたい。
ただし、『PUMP』は前半の派手さケバさに比べ後半が渋い作りとなっているので、そのギャップの激しさを考えるとアルバムトータルの完成度では本作に一歩譲る。
冒頭、いきなりハードにすっとばすタイトルトラック。もうこれでノックアウト。この格好良さはなんなんだ!と思っていると、必殺のシングルカット曲②が始まる。以下、非常にバラエティに富みつつもしっかりエアロ印の烙印が押された名曲達が、列をなしてあなたを待っている。
一度アルバム完成にこぎつけながら、もう一度作り直したバンドを大いに讃えたい。また、それをやきもきしながら見守ったレコード会社も。ロック職人達の面目躍如たるものが、本作においてしっかりと我々に提示されている。あんたら、やっぱすげえよ。全く格好良い親父達である。

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