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Up From the Ashes / DON DOKKEN
火薬バカ一代 ★★★ (2012-12-03 23:36:55)
ドン・ドッケンのソロ・プロジェクト――と言うとドンがムッとするので彼がリーダーを務めるバンド――が、'90年に発表した唯一作。
本作は、スーパー・バンドとしての「名」と、作品としての「実」の釣り合いがしっかりと高いレベルで取れている秀作で、音自体はDOKKEN路線のメロディアスHRサウンドですが、堅実に自分を盛り立ててくれる2人の凄腕ギタリストをバックに従えたドンが、「あ~、嫌いな奴が横から出しゃばって来ないグループってイイなぁ!」(と思ってたかどうかは定かじゃありませんが)と、伸び伸び気持ち良さげに、持ち前のソフトで繊細な歌声を披露しているのが印象に残ります。
主役は飽くまでVoであり、歌とギターが対等に(色々な意味で)火花を散らしまくる作風を期待する向きには物足りなく感じられるかもしれませんが、ハイテク・ギタリスト2人のセンス溢れる演奏と、ドン、ジョン・ノーラム、ピーター・バルデスによる絶品の3声ハーモニーがたっぷりとフィーチュアされた収録楽曲は、DOKKENの名曲群にも引けを取らないクオリティを提示。特に、2本のGが美しく絡み合うイントロだけでウットリ聴き惚れてしまう劇的な①、物悲しくも重厚な②、「フックの効いたサビメロ」のお手本のような④、歯切れ良くキャッチーな⑤、センチメンタルなバラード⑥といった名曲が連続する本編前半の出来栄えは強力です。
DOKKENの活動を停止するのなら、いっそDON DOKKENを復活させるってのはどうなんでしょうね。
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