この曲を聴け!
Music from Another Dimension! / AEROSMITH
帰ってきたクーカイ ★★★ (2012-11-12 16:32:50)
もぶるーるずさんの意見を批判するわけでなく、「こういう他の意見もありますよ」ということで読んでいただきたいのだが、私は本作を聴いて『TOYS IN THE ATTIC』(3rd・1975年発表)と『ROCKS』(4th・1976年発表)の頃のエアロが帰ってきたなと思った。あの頃の、STONESがより過激になったような楽曲に、鉈をぶん回すかのようなギター。要するに粗暴なエアロが復活している。
先日コメントしたKISSの『MONSTER』もそうであったが、本作も'70年代の頃の自分達を基準に据えたアルバムと受け止められる。そして、単に回帰するのではなく、これまでに培った、磨き上げた全てを、楽曲にぶちこんでいる。故に、ときたま(本作においては主にバラードで)近作で感じられた雰囲気がフッと立ち上る瞬間がある。
私は『PUMP』(10th・1989年発表)や『NINE LIVES』(12th・1997年発表)も好きだが、同じ位3rdと4thアルバムも愛している。よって本作の、この集大成というべき出来は大変喜ばしい。
あえて、苦言というより特徴の指摘として挙げておくなら、本作は突出した楽曲がないように思う(あくまで個人的見解として)。これまでのアルバムなら、いかにも「これが代表曲」という曲が収められていたのだが、本作はそうではない。しかし、味わい深い良い曲がずらりと並び、野球に例えるならホームランは出ないがサイクルヒットで大量得点という感じだ。まぁ、本編だけで、15曲もあるので、さすがに13曲目以降、ちょっとダレるが。
聴いていて嬉しくなってしまったので、グダグダと長く書いてしまったが、エアロを初めて聴く人も、オールドファンも共に納得の傑作だと思う。
→同意