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War to End All Wars / YNGWIE MALMSTEEN
火薬バカ一代 ★★ (2012-10-31 20:51:12)
音の悪さにかけては2nd『MARCHING OUT』と双璧を為す1枚。『MARCHING~』が時代を考慮すれば仕方ないと思える部分もあるのに比べ、本作は既に好きなようにレコーディングできる環境にありながらこの体たらくなのだから弁護のしようがありません。まぁポジティブに評価すれば「生々しい音で迫力がある」と言えなくもないですが、スラッシュ・メタルならともかく、イングヴェイのアルバムのプロダクションが生々しくてもなぁ、と。
そんなわけで初めてこの作品を聴いた時はかなり衝撃を受けました。音の悪さもそうですが、何より一聴して印象に残る楽曲が殆どなかった事実に対して。これまでのイングヴェイのアルバムには、必ず一発で虜にされるキメ曲が複数存在していたのですが、本作にはそうした楽曲が見当たりません。
まぁ、それもこれも全てはテレコ録音みたいな劣悪な音質のせいで楽曲の輪郭が不明瞭になってしまっていたからで(折角のマーク・ボールズの歌唱もバックの演奏に埋もれてしまっている)、数度聴き込めば、コテコテなネオクラ・ソング“PROPHET OF DOOM”あり、エスニックなヘヴィ・チューン“CRUCIFY”あり、キャッチーなサビメロが印象的な“MASQUERADE”や劇的なメロディ・センスが光るバラード“MIRACLE OF LIFE”あり・・・と、じわじわとボディブローのように収録曲の良さは浸透して来るのですが。
とは言え、イングヴェイ作品で「聴き込みを要する」ということ自体、自分にしてみりゃ奇跡体験アンビリーバボー(良くない意味で)。しかもまさか、本作以降はそれが常態化することになろうとは・・・。

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