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Alchemy / YNGWIE MALMSTEEN
火薬バカ一代 ★★★ (2012-10-30 23:32:33)
「歴代最高シンガー」との評価を得ていたマーク・ボールズが出戻って、'99年に発表された10thアルバム。
久々に「ライジング・フォース」名義を使用している本作ですが、それで何かが大きく変わったということは特になく、ここで聴かれるのは毎度お馴染みのイングヴェイ流HMサウンド。
ただ、今回彼がかなり気合を入れて派手に弾きまくっているのは確かで、「電撃戦」のタイトルに相応しいアグレッシブなOPナンバー“BRITZKREIG”、一転、ブルージーな泣きと哀愁を炸裂させる“BLUE”、そして三部構成からなる大作組曲“ASYLUM”等、攻めの姿勢と気迫が漲るインスト・ナンバーの数々を収録。またロックンロール系やポップなノリの楽曲が姿を消した本編も、ダークでクラシカルなHMナンバーで統一が図られており、こうした初期作を彷彿とさせる要素を端々で確認できる本作は、なるほど、「ライジング・フォース」の名を冠するに相応しいと言えるのかもしれません。
重厚壮大な“LEONARDO”、スピーディな様式美ナンバーのお手本のような“WIELD MY SWORD”や“HANGER 18, AREA 51”は、マークのコブシの効いた歌い回しと、目の覚めるようなハイトーンが琴線にビンビンと響きまくる名曲です。
70分オーバーの長丁場が全く苦に感じられない力作。個人的に、手放しで絶賛できるイングヴェイのアルバムはここら辺りまでかなぁ。
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