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Long Live Rock 'n' Roll / RAINBOW
火薬バカ一代 ★★★ (2012-10-02 23:04:45)
リッチー・ブラックモア(G)、ロニー・J・ディオ(Vo)、コージー・パウエル(Ds)による三頭政治の最高到達地点にして、ロニーもコージーも亡き今、永遠に更新される事のない最終到達地点となってしまった'78年発表の3rdアルバム。
CDの帯には「ポップな路線に転身を図った野心作」なんて文句が踊っていますが、いやいや、とんでもない。よしんばラジオを意識した曲作りが為されているにしても、重厚なリッチー、ロニー、コージーのパフォーマンスに彩られた、このミスティックでドラマティックな様式美HRサウンドがポップってことはぁ断じてない。コレがポップってんならグラハム時代やジョー時代のRAINBOWが演ってる音楽はシャンソンか何かですよ。
カルピスの原液みたいだった『RAINBOW RISING』に比べると、本作は、より万人向けに飲み易く(聴き易く)味付けが調節されており、楽曲は高いドラマ性を保ちながらも曲展開はコンパクトで明快。その最大の成果と言うべきが重要無形文化財クラスの名曲“KILL THE KING”と“GATES OF BABYLON”の存在で、この様式美HR/HMの完成形を示した至宝2曲を聴いてピンと来ないのなら、そりゃもうアナタRAINBOWはおろかメタルすら聴く必要はないですよ、と思わず暴論をカマしたくなるほど。
緊迫感に満ちた“LADY OF THE LAKE”から、へヴィな曲調に絡む軽快なピアノとのコントラストがユニークな“L.A. CONECTION”、演歌に通じる泣きのバラード“RAINBOW EYES”まで、代表曲として知られる“LONG LIVE ROCK 'N' ROLL”が一番地味に感じられるぐらい強力な楽曲が顔を揃える、RAIBOW入門編にうってつけの1枚。

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