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BACKWARDS / MYSTERY
火薬バカ一代 ★★ (2012-08-01 22:48:25)
プロデューサーにHAREM SCAREMのハリー・ヘス&ピート・レスペランスを迎えてレコーディング作業が行なわれた、'94年発表の2ndアルバム。
作曲面でもバンドに貢献していたKey奏者の脱退の影響か、「キャッチーなメロディと壮大なアレンジに彩られたメロディアスHR」という基本路線は堅持しつつも、本作はよりハードネスを強調。重厚感を増した音作りと相俟って、全体的にクリス・デ・ブラウアーのGサウンドが前に出た作りになっている。
そうした叙情性を薄れさせた作風が裏目となり、あまり印象に残らない楽曲もチラホラ見受けられるのですが(特にアルバム前半)、一方で、元々太めの声質の持ち主だったピーター・デ・ウィント(Vo)にはこの方向性がしっくり来たようで、アコースティカルなバラード⑥⑫、サビで転調する曲展開に胸が高鳴る⑦、クリスの泣きのGプレイが炸裂する⑧、悲壮感を湛えてドラマティックに本編を締め括る⑬といった名曲の数々は、一層パワフル且つ伸びやかになった彼の歌声と、強力なフックを宿した歌メロを堪能することが出来る逸品。
残念ながらバンドは本作を最後にシーンからフェードアウトしてしまいますが、もっと作品を聴いてみたかったなぁ。

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