この曲を聴け!
Savage Amusement / SCORPIONS
はっちゃん ★★★ (2012-07-04 15:03:19)
ルドルフ/クラウス体制が崩れる前の傑作。
この作品を最後に、今まで作曲面を一人で担っていたルドルフからクラウスそして外部ライターへと
コンポーズ面の多様化がはじまるのですが、個人的にはスコーピオンズ・サウンドー=ルドルフだと
思っています。この作品でもその魅力が満載!マイナーコード進行を多用し憂いを湛える楽曲は、
ウリ時代から変わらず非常に高品質です。
皆様、地味だと感じていらっしゃるようですが、本作は過去の蠍団のアルバムの中でも文句なく
派手なサウンド・プロダクションです。6人目のメンバーとも言われるディーター・ダークスの
最後の仕事なのですが、なんとなくジョン”マット”ラングを意識しているような、いないような。
サンプリングを導入したり、ちょっとHMとはかけ離れたアプローチはすでにこの頃から試みてます。
そして評価を賛と否に分ける、ギターを奥に引っ込めヴォーカルを全面的にプッシュした音像は
メタル・スコーピオンズを期待した向きにはなんとも物足りなかったのでしょう。
しかし、HMの醍醐味であるスピード・チューンもしっかり収録されているし、ライヴ盤をはさんで
前作の延長線上にある作品だと思うのは僕だけなんでしょうか。確かに破壊力の高い強力なリフが
少ない事が地味だという感想に繋がるのかもしれませんが、70年代から貫き続けるキャッチーで
ありながら強烈にロックな楽曲群は、決して無視されるべきものではないし、バラードバンドなどと
揶揄される類のものでもない。
「LOVE ON THE RUN」や「WE LET IT ROCK…YOU LET IT ROLL」を聴いてみれば、それは
一聴瞭然なんだけどなぁ。
→同意