この曲を聴け!
Just Push Play / AEROSMITH
190 ★★ (2001-04-01 01:52:00)
前3作の出来の良さから、「発売前の期待がとてつもなく大きく、重過ぎた」ことも重なり、1度目の試聴からは、「最高!」という二文字は出てこなかったのが、正直な所である。逆に「驚き」と「戸惑い」の方が大きかった。
泣く子も黙る大御所バンドでも、HR/HM低迷時代での前作のヒットは、さらに自信を深めたにちがいない。・・・だからこそこの作品も、同じ路線の「伝統のAEROCK!だろう」と誰もが思っていたはず。
ところが、ふたを空けてみれば何とこの路線!・・・・・「えぇ~!!」
ビックリでした! あえてこの方向性で勝負して来たこの怪物バンドには逆に「スゴみ」すら感じさせられた。・・・案の定、最初の印象とは裏腹に、徐々にこの作品の良さが(後から後から)気付くことになる。
このアルバムは、(期待していた)スピード感抜群のへヴィロックは無く、ゆったりとした曲が多い。そして最大の見所は、「今風」の、リズム系のダンスやラップ、ヒップホップ的要素を多量に盛りこんだ全く新しいタイプの作品に仕上がっていることだ。しかしそんな中にも、今までの「AEROSMITH」がきっちり残されている。
これは、非常に難しい事だと思う。1歩間違えれば「どっちつかず」の中途半端なものになってしまうのがほとんどである。それを見事にやってのけている。そしてこの完成度。しかも、ほぼ完璧に「AEROSMITH」の作品に仕上がっている。「さすが」の一言!
過去のカヴァー曲が何の違和感もなく「エアロ節」で「自分達の作品」にしてしまうスゴさも納得させられる。どんなタイプの曲でも自分達のモノに出来る数少ないバンドで、これは他のバンドには出来ないスゴワザ!
また、この作品は、聞けば聞くほど「味」が出てくるような気もする。・・・全体のバランスもなかなか良く出来ているぞ!
「PERMANENT VACATION」の時もそうだったように、このアルバムでまた「AEROCK!」の幅が大きく広がったようなきがするね。
とにかく、今までの「AEROSMITHのロック」という固定観念にとらわれずに聞いてほしい。
私自身、ロックに対して、また「AEROSMITH」に対して頑固で、変な「こだわり」を持っていた。その狭く硬い考え方を根底からくつがえした注目すべき興味深いアルバムであったことは間違い無い!
この作品は、今後のバンド生命を占う上でも、とても貴重なアルバムだったように思えてならない。そして20年近くたった現在でも、なお「エアロスミスはまだまだ生き続けられる!」ということを確信させてくれた1枚でした。
そういう意味でも、古くからのファンにも新しいファンにも、聞きこんでほしいアルバムです。個人的には「ROCKS」「PUMP」「AEROSMITH」「NINE LIVES」に次ぐMyエアロNo.5!
何がいいのか自分でもよく分からんのだが・・・アルバムとしての統一感があって、バランスが絶妙にイイような気がする。。。
「GET A GRIP」とかと比べるとかなり見劣りするが、まあまあの作品にはなってるので是非!!
*日本盤のボーナストラックは余計でした。流れもバランスも無視した感じ・・・。あの名曲をこのアルバムのボーナスにっていうのはいただけない。。。当然もう一つのボーナス「WON'T LET YOU DOWN」もいらないです。アメリカ盤と同じように、普通に、最後の曲「AVANT GARDEN」の後に「REPRISE」で良かったのに・・・それで完成度はバッチリだったと思う。
(うだうだ言うんだったら、アメリカ盤買ってろ!って話だけど・・・笑)
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