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LOUDNESS / LOUDNESS

Taka-G ★★ (2009-02-13 00:08:00)
「結成10周年」と銘打って'91年に発売された「On The Prowl」は、10年間のバンドとしての成長ぶりを感じさせるものではあったものの、当時彼らが抱えていたマンネリズムの根本的な解消には至りませんでした。
そうした状況からか、その後発表された「Slap In The Face」では突如、スラッシュメタル的な展開を見せましたが、その矢先にマイク・ヴェセーラが脱退、相次いでデビュー以来バンドのボトムを支えてきた山下昌良までもが脱退してしまいます。
替わって新たなヴォーカルには、元E.Z.O.の山田雅樹、ベースには元Xの沢田泰司が加入し、バンドは活動を再開しましたが、それまでの彼らとは方向性の違う人選だったために、古参のファンは不安を隠せなかったようです。
こうして始動した「新生」LOUDNESSが'92年発表したのが、堂々のセルフタイトルを冠した「LOUDNESS」でした。
前作の路線をさらに発展させたきわめてヘヴィな作風となり、賛否両論を巻き起こしましたが、結果的には沢田の加入という話題性も手伝い、アルバムはオリコンチャート2位を記録、新たなファン層の開拓に成功しました。
また、この時期は彼らの使用機材等にも大きな変化がありました。
樋口宗孝のドラムセットは、過去の多点セットから、大口径のタム3個のみのシンプルなものに替わり、それに合わせてプレイスタイルもよりパワー重視のものへと変化し、これらは晩年まで続くスタイルとなりました。
一方、高崎晃もギターアンプをマーシャルからピーヴィーのトランジスタアンプへと替え、ダウンチューニングによるヘヴィなリフを指向するなど、当時公言していたPANTERAからの影響が窺えます。
かつてのテクニカルなギターソロも影を潜め、以前から兆候は見られたものの、随所にアドリブを織り交ぜた「感性重視」のプレイスタイルもこの頃から確立されはじめたようです。
長々とした解説になりましたが、それほどいろんな意味で「賛否両論」な一作なのではないでしょうか。
少なくとも私は、'90年代の彼らの作品では一番好きですヨ♪