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Anthems to the Welkin at Dusk / EMPEROR
netal ★★★ (2011-11-16 23:09:33)
この作品から彼らは単なるシンフォニックブラックを超えた「sophisticated Black Metal Art」を標榜するようになったわけであるが、
このアルバムはブラック成分が依然強く残り、暴虐と邪悪の中に現れる余りに美しい神聖さに、聴いている間ずっと圧倒されっ放しになる。
しかもただ邪悪や神聖であるだけではなく、人間の苦悩に訴えかけるような歌詞、非常に緻密で複雑なフレーズと曲展開も本当に素晴らしく、芸術と呼ぶに相応しい出来である。
4thに比べると、人智を超えたかのような凄まじいリフ捌きは少ないが、代わりと言っては何だが、ブラックとしての凄まじさが充分過ぎる程あり、全く問題は無い。

欠点を上げるとすれば音質だろうか。音の分離が悪くどういうフレーズが演奏されているのかやや判然としない部分が少なからずあるのが難点である(ブラックではましな方ではある)。
しかしながら、あまりにも濃密に繰り広げられる世界のおかげで、殆ど気にならない。
むしろ音質の悪ささえ混沌のエネルギーに変えて、表現の一部をなしていると言えるかもしれない。

気に入り度……100/100

お薦め……Ye Entrancemperium

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