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Murder of Crows / HUMAN TEMPLE
火薬バカ一代 ★★★ (2011-07-18 20:58:40)
'04年リリースのデビュー作『INSOMNIA』が好評を博すも、その後は「ギタリスト脱退」というニュースが報じられたぐらいでフッツリと消息が途絶えてしまっていたHUMAN TEMPLEから、久し振りに届けられた2ndアルバム。
例え長期間のブランクがあろうとも、メタル大国フィンランド出身のバンドならば、音楽性を大幅に変えてこちらを失望させるような真似はしないだろうと思っていましたが、実際本作は、ヒンヤリとした哀感を湛えるOPナンバー①が始まった瞬間、彼らがその期待に見事に答えてくれたことを確信するクオリティ。
正式ギタリストの座は空席のまま、前作同様、URBAN TALEのエルカ・コーホネン(G)や元SONATA ARCTICAのヤニ・リマタイネン(G)らの協力を仰いでレコーディングされているが、伸びやかなVoと冷やかに楽曲を包み込むKeyを軸に、歌心に溢れたGが絡むメロディアスHRサウンドという、デビュー作で披露したスタイルは今回も健在。
全体的にややヘヴィさが増した印象が無きにしも非ずだが、泥臭い序盤に思わず不安になる④や、ノリノリで疾走するヘヴィ・メタリックな⑧といった、従来にはなかったタイプの楽曲すら心打つドラマティックな内容に仕上げてみせる曲作りの上手さは、相変わらず冴えまくっている。『FINAL COWNTDOWN』を発表した頃のEUROPEを彷彿とさせる⑤や、ダンサブルなビートに悲哀に満ちたメロディが乗る⑥辺りは、メロハー・マニアに猛烈にアピールし得る魅力を備えた逸品ですよ。
日本盤がリリースされていてもおかしくない(寧ろリリースされていない事が不思議で仕方がない)1枚。

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