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…and Justice for All / METALLICA
火薬バカ一代 ★★ (2007-03-13 21:35:00)
クリフ・バートンの突然の死によって、バンド内部が混乱の極みにあった事が、痛い程に伝わってくる'88年発表の4thアルバム。
冷静に曲作り出来る状態ではなかったのか、とにかく思い付いたアイデアを片っ端から力ずくで継ぎ接ぎしていったかのような
楽曲の数々は、例えば“BATTERY"の如きキャッチーなナンバーが姿を消し、その何れもが6分を越す大作ばかりズラリ。
かと言って、高いドラマ性と構築美を誇っていた前作『MASTER OF PUPPETS』に比べると、メロディの魅力が弱く、
曲展開にも強引さが散見され、全体的に、やや締まりに欠ける冗長な作風との印象は拭えない。
だがしかし。それでも本作を駄作に堕とすことなく、きっちりと名盤に仕上げてみせる辺りが、METALLICAの凄いところ。
特に、劇的なイントロ部分だけで完璧に掴まれる名曲①、角張ったリフがガツンガツンぶつかって来るかのような②、
緊張感に満ちた雄々しいミッド・チューン③、METALLICAの代表曲の1つであるヘヴィ・バラード④といった楽曲が、
次々に繰り出されるアルバム前半のテンションの高さは圧巻。(その分、後半ダレるのが惜しまれるのだけど)
また、そうした楽曲で聴く事の出来るラーズ・ウルリッヒのドラミングがこれまた強烈で、Bの音を完全に掻き消す重さと、
モタる寸前にまで「タメ」を効かせたそのプレイは、ある種異様な迫力に溢れていて、圧倒されること請け合い。
歪だが、それゆえ魅力的な作品。かな、と。

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