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Facing the Animal / YNGWIE MALMSTEEN
火薬バカ一代 ★★★ (2011-01-05 21:38:54)
90年代のイングヴェイの最高傑作と言えば、ジャケットで欧陽菲菲みたいな彼が睨みを利かせるこの9thアルバムで決まり。
理由は勿論、敬愛して止まないコージー・パウエルの遺作だから・・・というのも勿論大きいが、それと同等に収録楽曲の飛び抜けたクオリティの高さ。分けても(別に嫌いではないが無くとも全然構わなかった)ブルーズ系の楽曲が姿を消し、ダークで緊迫感を伴ったHMナンバーで本編の統一が図られている点が評価ポイント。判り易いスピード・ナンバーが見当たらない代わりに、適度な歪みと熱さを備えたマッツ・レヴィンの歌声と、一撃一撃に魂の篭ったコージーのパワフルなドラミングが映える楽曲がズラリ揃えられています。唯我独尊っぷりを色々揶揄される機会の多いイングヴェイなれど、この辺の「参加メンバーの長所を活かす曲作りの上手さ/器用さ」は他の追随を許さないレベル。流石マエストロ。また、今回は彼自身のGプレイが冴えまくっているのも特筆すべきセールス・ポイントですかね。
力強くドラマティックなOPナンバー“BRAVEHEART”、『ODYSSEY』の頃を思い起こさせる“FACING THE ANIMAL”、重厚且つ緊迫感に満ちた“ENEMY”・・・といった具合に、語ろうと思えば頭から順に全曲について語れてしまうぐらい逸曲揃いの本作ですが、取り分け、エモーショナルなGソロにキュンキュン来るバラード“LIKE AN ANGEL”、コージーの重たいドラミングが映える“MY RESURRECTION”、巧みにまぶされたポップ・センスに唸る“ANOTHER TIME”といった、劇的極まりないメロディ展開に耳奪われる名曲が連続する本編中盤の盛り上がりっぷりは圧巻。
聴き終える度に、大いなる満足感と共に一抹の寂寥感を覚えずにはいられない1枚です。合掌。
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