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Equinox / STYX
火薬バカ一代 ★★★ (2010-11-07 21:52:31)
ラジオで話題となり、'75年にシングル・カットされた“LADY”(と同曲を収録する2nd『STYX Ⅱ』)が遅まきながら大ヒット、これを足掛かりに米メジャーのA&M RECORDSと契約を締結、更にオリジナル・メンバーのジョン・クルリュスキーが本作を最後に脱退・・・と、あらゆる意味においてSTYXの『分岐点』となった'75年発表の5thアルバム。
トリプルVo、ツインG、Key、それに壮麗なボーカル・ハーモニーを活かした、ロックンロール系の楽曲とドラマティックなプログレ・ハード系の2パターンの楽曲から構成される本編という、前作『MAN OF MIRACLES』において確立された音楽スタイルを更に磨き上げつつ、カラフルでノリの良いOPナンバー①や、ヒット・シングル②に明らかなように、メジャー・デビュー作という事で、泥臭さが一掃されカラッと垢抜けた楽曲群は全体的にポップ風味が強化。クルリュスキーはこれを嫌ってバンドを去る事になるわけだが、そうは言っても、クニャっとしたシンセ・サウンドと浮遊感を湛えて駆け抜けていく③、キャッチーなBライン、ツインG&ツインVoのハーモニーが印象的な⑥等、単純に「ポップ」と切り捨てるには、捻りや小技の効いたアレンジ・曲展開の妙が堪能できる名曲・佳曲が本編には顔を揃えている。中でも、アコギ・インスト曲⑦からメドレー形式で展開し、アルバムのクライマックスを堂々飾る、重厚、劇的、そして立体的に重ねられたボーカル・ハーモニーが壮麗さをも演出する⑧に至っては、中期STYXを語る上で外す事の出来ない超名曲ではないかと。
最終的にアルバム・ランキング58位まで上昇し、、ゴールドディスクを獲得したと言うのも大いに納得の行く本作。HR/HMファンなら⑧を聴くためだけにでも購入する価値がある1枚ですよ!

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