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Angels Cry / ANGRA
殺戮の聖典 ★★ (2010-10-02 20:05:11)
元VIPERのシンガーであったアンドレ・マトス(Vo)がキコ・ルーレイロ(G)、ラファエル・ビッテンコート(G)、ルイス・マリウッティ(B)、マルコ・アントゥネス(Dr)と新たに結成したブラジル出身のバンドによる'93年発表のデビュー・アルバム。
VIPERやHEAVENS GATE等を手がけたチャーリー・バウアファイントとHEAVENS GATEのサシャ・ピートによるプロデュース。
ブラジルという国に対して抱いていたメタル後進国とのイメージはこのバンドの出現をもって完全に払拭された。
シューベルトの「未完成交響曲」をモチーフにしたイントロ「UNFINISHED ALLEGRO」からスリリングかつクラシカルなスピード・チューンの超名曲「CARRY ON」への流れを聴くだけでもこのアルバムを購入する価値はあるが、美しく神秘的なメロディのリーダー・トラック「TIME」、ヴィヴァルディの「四季(冬)」のメロディを取り入れた「ANGELS CRY」、アンドレのハイ・トーンが凄まじくも感動的な「STAND AWAY」、ブラジルのバンドならではのラテン・リズムとの融合を見せる「NEVER UNDERSTAND」、ケイト・ブッシュの超名曲のカヴァーが見事にはまった「WUTHERING HEIGHTS」、ギターのエッジがメタリックな「STREETS OF TOMORROW」、ドラマティックな展開とクラシカルなメロディのハイ・ライト曲「EVIL WARNING」、VIPERの超名曲「MOONLIGHT」を彷彿させるメンデルスゾーンとシューベルトをモチーフにした「LASTING CHILD-Ⅰ THE PARTING WORDS Ⅱ RENAISSANCE」と、他の収録曲も申し分のない質の高さを持っている。
バックの演奏テクニックも実に素晴らしい。
本作はヘヴィ・メタル史に残る名盤といっても過言ではなく、メロ・スピとの枠組のみで語ることやHELLOWEEN等との比較は逆にこのバンドの足枷となっているように思える。
ちなみに、レコーディング中に怪我をしていたマルコの代わりにSIEGES EVENのアレックス・ホルツワースが、ゲストとしてGAMMA RAYのカイ・ハンセンとダーク・シュレヒター、トーマス・ナック、HEAVEN'S GATEのサシャ・ピートが参加している。
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