この曲を聴け!
ラノベ
k.s.m.2 (2009-11-01 02:53:00)
がんがってほしゅしてみます。
「老ヴォールの惑星」小川一水
出版社がどこだろうと、この人の作品はライトノベル分類が正しいと思う。
刊行は結構前だが、基調とするアメリカ映画的性善説はそのままに、
「孤独な環境に住むことになってしまった者の行動記録」が
一貫したテーマになったと思われる短編集。
登場するのは人間が主だが、あるいは社会的・あるいは肉体的な変容が少なくない。
そこが多少軽い設定に思える部分もあるが、SFというジャンルが純粋な思考実験に
近いアプローチを試みやすいという特徴を内包する以上、長所と見るべきだろう。
以前「読んだ本の中で好きなキャラは?」と訊かれて「ビーカーに汲んでこられて
電極通して科学者と会話する湖の水」(確かこどもSFシリーズにあった)と答えたら
質問者にかなり混乱された記憶があるが、書き手が人間だからって「キャラクター」が
ふつーの人間なり擬人化動物だったりする必要がどこにあるんだ?
というわけで、ヴォールの若者フライマくんをおすすめ。一般にはクーリシュの方が
格好良いキャラクターだろうか。
→同意