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WINDING ROAD
Mr.sfz (2003-09-02 19:21:00)
おお、額を上げよ、まなこを開け。
天を仰ぎ風にくちづけせよ。
みなもよりたなびく煙が炎となりて空を灼く。
わたしは紫の聖炎、虹を掴むもの。
銀嶺を降る虹は愚かを阻む壁とならん。
虹は救い。虹は刃。虹は滅び。
第一話『時を刻むもの(The Hands Of Time)』
大路を挟んで正面、軒先の茂みから這い出てきた男に黒い影が飛びかかるのが見える。
…それ以上は目を向けない。彼が助からないであろうことは明らかだからだ。
聞こえないふりをしても、…あるいは耳を塞いでも、忍び込んで耳朶を打つ最期の叫び。
己の魂を天に返さんとするとき、人はいったい誰を思うのか。そも正気を保っていられるのだろうか。……それを知って、なんとするのか。
「ガブリエル!!早くしないと置いてくぞー!」
「ギャビー、はやくはやくー!」
「ちょ、ちょっとまってよぅ…」
ティプトンの町並みは、今日も微笑むような照り返しを見せていた。その中でも、一番はずれにある小さな家の前で、二人の少女が声を張り上げていた。
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