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Jealousy / X JAPAN
火薬バカ一代 ★★ (2008-06-22 00:39:00)
MANOWARのジョーイ・ディマイオ閣下をして「彼らは素晴しいバンドだよね」と言わしめた
(まぁ、リップサービスもあろうが)日本HR/HMシーンの至宝Xが、'91年に発表した3rdアルバム。
お耽美な雰囲気を漂わせたジャケット・アートワークといい、HM的なアグレッションよりも、中性的な繊細さや華麗さが
強調された印象の楽曲といい、いよいよ、Xというバンド名を聞いて連想されるイメージが、音楽的にもルックス的にも
完成された、彼らの代表作と呼ぶに相応しい本作。その象徴が、マッドな美しさに満ちたピアノ・インスト曲①を
イントロ代わりにスタートする、アルバムのリーダー・トラックにして、バンドの代表曲②(海外のバンドが
カヴァーしたりして話題にもなりましたっけ)。ダイナミックに疾走するリズム、その上を華麗に舞うツインGと、
劇的且つ流麗なピアノの音色、線は細いが悲壮なメロディを見事に歌いこなすVo、そしてドラマティックで
シンフォニックなアレンジ・・・と、このバンドの持つ美点が全て凝縮されたかのような、名曲中の名曲です。
角が削り落とされた、ソフト過ぎる音作りには大いに不満が残るし(お陰で必殺曲“STAB ME IN THE BACK"の威力が半減)、
ロックンロール風味の増強とか、傑作『BLUE BLOOD』における“ROSE OF PAIN"に該当する楽曲がないため、
後半の盛り上がりが今ひとつだとか、前作と比べてしまうとやや聴き劣りする感が否めないものの、それでも、見た目だけの
凡百なビジュアル系バンドとの格の違いを見せ付ける、唯一無二の個性と比類なき完成度を、本作が誇っている事は確か。
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