この曲を聴け!
None So Vile / CRYPTOPSY
うにぶ ★★ (2003-03-08 23:05:00)
いや~、最高ですね~。
実に爽快なテクニカル・ブルータル・デスメタルです。凄絶なまでの超絶技巧で複雑かつ超高速な演奏が繰り広げられています。本当にテンポが合ってるのかどうかすら判らなくなります。ヴォーカルはもはや人間の言葉とは言い難い歌(歌詞の意味がないじゃん)を聴かせてくれます。
人間がノレる速度を通り越して荒れ狂う嵐のような楽曲を、聴く者はただ浴びることしかできません。(ライヴじゃみんな何に合わせて暴れるんでしょう? このドラムに合わせてヘッドバンギングは絶対無理)
これこそある種頂点を極めた究極的暴虐音楽と言えましょう。クリプトプシーって、初めて聴いた時に笑っちゃう人が多いみたいです。あまりに凄すぎて笑うしかないような、そんな音楽なんですよね。
でもよく聴くと実はけっこうメロディアスでもあります。
唯一の不満はドラムの音づくりかな~。もうちょっと迫力が欲しいです。
そういや解説で、ジョン・マクラフリンのマハヴィシュヌ・オーケストラや、イタリアのアレアなんかとも比較されてますね。私もジャズ系の音楽とデスメタルって同じような感覚で聴いてるし、マハヴィシュヌで叩いてたビリー・コブハムの超絶プレイが大好きなので、この比較には共感できました。アレアもマハヴィシュヌ・オーケストラも異様にテンション高くていっちゃってますから、けっこう似た者同士かも。
ともかく、これは激烈音楽史上に残る傑作です。
そしてこれこそプログレッシヴ!
デスメタルが嫌いでも、テクニカルかつ先鋭的な音楽が好きな人は、クリプトプシーを聴きましょう。
>アメンボさん
ジャケの絵に関しては『WHISPER SUPREMACY』日本盤の解説に説明が載っています。もう買っちゃってますか?
一応引用しますと、
17世紀の画家エリザベス・シラーニの「バプテスマのヨハネの首を持つヘロデア」(ヘロデアは洗礼者ヨハネの首を刎ね、イエスを処刑したガリラヤ総督ヘロデ・アンティパスの妻。その娘がサロメである)
とのことです。
ヘロデアが娘をそそのかして、踊りの報酬にヨハネの首を所望させたっていう伝説に基づいた絵ですね。
それにしてもヘロデアの瞳はなんであんな人形みたいに虚ろに描かれているんでしょう?(^^;
これじゃ伝説の悪女っぽくない…。
しかしまあ、美しくて残酷で、アルバムの内容に合った素晴らしいアートワークです。
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