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The Triumph of Steel / MANOWAR
火薬バカ一代 ★★ (2007-06-11 22:33:00)
ロス・ザ・ボス(G)とスコット・コロンバス(Ds)が脱退したり、新しいレコーディング・スタジオを建設したりとドタバタと色々な事があって、前作から実に4年のインターバルを経て、'92年に漸く発表された7thアルバム。邦題は『勝利の鋼鉄(はがね)』。
オリジナル・メンバーにして生粋のロックンローラーでもあるロスがバンドを去った事により、ジョーイ・ディマイオの妥協を許さぬ完璧主義者っぷりに歯止めを掛ける存在がいなくなってしまったせいか、これ以降、MANOWARのアルバム・リリース・ペースはオリンピック級の気の長さになってしまうわけだが・・・。ま、それはともかく。
本編の半数を重々しいミドル・チューンが占め、しかもエリック・アダムス(Vo)がドラマチックな歌い上げよりアグレッシブなシャウトを多用している事もあって、MANOWARのアルバムの中でも際立ってヘヴィな仕上がりの本作。
正直、それらの楽曲はメロディの魅力、分けても歌メロにフックが乏しいため、どうにも地味な印象が拭えない。そして何より、アルバムのOPにドーンと鎮座まします超大作①だ。これを受け入れられるかどうかで真のMANOWARファンか否かが決まるという、ファンにとっては、ある種、踏み絵的な存在のこの組曲。長尺にも関わらずオーケストラやKeyの類に頼らない姿勢は、如何にもこのバンドらしくてナイスだが、やはり各楽器のソロまで組み込んだ構成は、(意図は分かるけど)個人的には冗長に感じられてしまう。
ただパート毎に見れば、エリック入魂の歌唱に胸揺さぶられる第6章や、ライブでも摘み食い的にプレイされていた荒々しくスピーディな最終章なんかは聴き応え十分。また本作には他にも、これぞMANOWAR!なメタル・アンセム②、スケールの大きな哀愁のバラード⑧、そして「この1曲のためだけにこのアルバムを買っても損はない」と思わされる、劇的なドラマ性を飲み込んで勇壮に疾走する名曲⑥なんかが収録されていて、聴き終えてみれば「なんだ、結局はいつもの良く出来たMANOWARのアルバムじゃんか」との結論に落ち着くのであった。
尚、本作発表後に初来日公演が実現。ステージ上でエリックは「日本に来るまで10年かかったけど、今度はもっと早く戻ってくるからな!」と語っていたが、あれから更に10年以上の月日が経っても、未だ再来日公演が行われる気配はないのであった・・・。
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