この曲を聴け!
GARY MOORE
H・W ★★ (2002-10-09 02:14:00)
「アイリッシュテイスト」によって武装された、強烈な存在感を誇るメロディーを、伝統的HR世界の中に昇華させる。
そうして生み出される極上の素材を、前人未到の泣きを発散させる「左手」と、猛烈なアグレッションを叩き出す「右手」を使って料理する。
ゲイリー専売特許のこの方法は、殿堂入り名曲を数々生み出してきた、必殺の錬金術であった。
しかしゲイリーは、あえてその術を封印した。
より「両手の技」の研鑚に重きをおき、侘び寂の境地を求める旅に出たかのような齢の重ね方は、彼の「ギタリスト本能」に導かれたものなのだろうか。
それとも・・・
たまたま趣味で作ったブルースアルバムがアメリカで大ヒット。
例によって「アメリカでの成功」という究極の麻薬に犯されてしまった彼が、その後の人生設計を書き換えた、ということに過ぎないのか。
ただ、アメリカ中を敵に回す事があろうとも、これだけは言っておく。
ゲイリー・ムーアの音楽が最もまばゆい輝きを放っていたのは、「錬金術」を駆使していた、あの時代だ。
・・・今のところは、そうだ。
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